歯周ポケットの危険性について


歯周ポケットの危険性について – 全身の健康への影響

皆様、こんにちは。歯科医師として、今日は特に注意していただきたい「歯周ポケット」についてお話しします。
歯周ポケットとは、歯とハグキの間にできる溝のことです。健康な状態でも1~2ミリ程度は自然にありますが、歯周病が進行すると中程度の歯周炎で3~5ミリ、さらに重症化すると6ミリ以上にまで深くなってしまいます。
臨床現場で特に懸念されるのが、この歯周ポケットの中で起きている現象です。歯周ポケット内部は細菌にとって最適な温度環境が保たれており、通常の歯磨きでは届かない深さであることから、細菌が増殖しやすい環境となっています。さらに、この状態は組織が持続的に破壊される開放性創傷と同様の状態にあると考えられます。
このような状態が続くと、歯を支えている歯槽骨(あごの骨)が溶け始め、最終的には歯の喪失につながる可能性があります。しかし、それだけではありません。最も警戒すべきは全身への影響です。
特に注目すべき点として、歯周病菌は通常の細菌と異なり、血液中でも生存可能という特徴があります。これにより、全身の血管を通じて心臓や脳、さらには妊娠・出産にまで影響を及ぼす可能性があることが、近年の研究で明らかになってきています。
治療としては、まずプロフェッショナルクリーニングによって歯周ポケット内の歯石を丁寧に除去し、抗炎症処置を行います。その後、定期的なメインテナンスを継続することで、症状の改善と予防を図ります。また血流をよくして歯茎の隅々まで血液がながれ細胞の活性化が重要です。そのために当院ではO2ルームを併用したRTHプログラムを勧めています
早期発見・早期治療が極めて重要です。わずかでも違和感を感じられた際は、すぐに歯科医院での精密検査をお勧めいたします。
定期的な検診で、歯周ポケットの状態を確認することが、お口の健康だけでなく、全身の健康を守ることにも繋がります。ご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
予防と早期発見が何より大切です。私たち歯科医師が、皆様のお口の健康をしっかりとサポートさせていただきます。