入れ歯
歯を失った場合、インプラントは優れた治療法ですが、怖さや治療が難しいと感じる患者もいます。また、他院でのインプラント治療のトラブルも増加しています。これらの患者に対して、当院では入れ歯治療を提案しています。入れ歯は咀嚼機能が劣ることがありますが、当院では入れ歯専門技工士と協力し、より快適で美味しい食事を楽しめるような高品質な入れ歯治療を提供しています。当院では複数の入れ歯専門技工士と連携しながら質の高い入れ歯治療をご提供しております。当院で入れ歯を作成した患者さまは、「入れ歯が合わないからやっぱりインプラントにしたい」とご希望される方はほとんどいらっしゃいません。今まで満足できる入れ歯に出会えなかった方、ぜひご相談にいらしてください。
歯科医師と専門の技工士による妥協のない入れ歯作り
入れ歯の製作において極めて重要なのは、精密な印象の取得、理論に基づいた設計、そして熟練の技を持った技工士との協力です。慎重で丹念な作業、最高品質の材料、そして適切な時間と工程をかけることで、伝統的な入れ歯の概念を超えた、優れた噛み心地と美しさを実現できます。当院では、在籍する技工士だけでなく、複数の入れ歯専門技工士と協力し、妥協のない入れ歯製作を追求しています。入れ歯の種類によっては、その分野に特化した著名な技工士を指名し、最適な条件で作製に取り組んでいます。患者の個々のニーズに合わせ、高品質で満足度の高い入れ歯を提供できるよう心がけています。
当院で対応している入れ歯の種類
テレスコープデンチャー
テレスコープデンチャーは、通常の入れ歯のクラスプ(金属バネ)を使用せず、支えとなる歯に内冠を取り付け、その内冠に入れ歯をはめ込んで固定する入れ歯の一種です。当院では、「コーヌスクローネ」と「リーゲルテレスコープ」というテレスコープデンチャーの種類を取り扱っています。このタイプの入れ歯は、ドイツで100年以上の歴史を持ち、高度な技術と精密な製作が求められています。テレスコープデンチャーは、他の入れ歯と比較してもいくつかの利点があります。まず、通常の金属バネが不要なため審美的に優れ、目立ちにくいです。また、支える歯への負担が少なく、義歯床を小さくできるため、患者にとっては快適な装着感を実現します。これにより、インプラントを避けたいがしっかりとした咀嚼機能を求める患者様に好評です。テレスコープデンチャーは高度な技術を必要とするため、日本では取り扱う歯科医院が限られていますが、その優れた審美性と機能性から高い評価を得ています。
- バネを使用していないので見た目が美しく、入れ歯をしていることに気づかれない。
- 残っている歯をしっかりと固定するため、負担をかけず、逆に守ることができる。
- 硬い物でもしっかりと噛むことができる。
- 「痛い」「外れる」「浮き上がる」などといったことがない。
- 寝るときも入れ歯を取り外す必要がない。
- 一度作ったら、メンテナンスをしながら長く使うことが可能。
コーヌスクローネ
コーヌスクローネは、自身の歯に内冠を被せ、その内冠に合わせる外冠を入れ歯側に取り付け、内冠と外冠を密着させる構造を持つ入れ歯です。この構造は、茶筒をイメージすると理解しやすいかもしれません。内冠と外冠の間に強い摩擦力が発生し、これによって食事中でもしっかりと固定され、外れたり浮いたりすることがありません。この入れ歯は、残存歯を活かして入れ歯を支えるため、歯をしっかりと固定でき、歯周病の患者にも適しています。ただし、神経のない歯を使用すると割れる可能性があるため、比較的歯の状態が良好な場合に適しています。
リーゲルテレスコープ
リーゲルテレスコープは、茶筒の原理ではなく、閂(かんぬき)の原理を利用した構造を持つテレスコープデンチャーです。この入れ歯には、小さなレバー(閂)が組み込まれており、このレバーを閉じることで入れ歯が固定されます。リーゲルテレスコープは、神経のない弱い歯にも適用できるため、コーヌスクローネよりも適用範囲が広いです。ただし、リーゲルテレスコープは高い精度と熟練の技術を必要とするテレスコープデンチャーの中でも特に要求されるため、歯科医師や技工士のスキルを適切に評価することが重要です。
ミラクルデンチャー
ミラクルデンチャーとは、大阪の中川ドクターが開発した特許技術を用いた部分入れ歯です。ミラクルデンチャーは、特別な講習を受け、厳しい審査に合格した歯科医師のみが扱える入れ歯であり、全国においても極めて限られた数の歯科医院でのみ提供されています(2018年時点で約100件程度)。これまでの入れ歯は、支えとなる歯にダメージを与える可能性があるとされ、そのデメリットが挙げられていました。しかし、ミラクルデンチャーは特殊な設計により、残存歯に負担をかけずむしろ保護することが可能です。このデザインにより、歯が揺れている場合でも、ミラクルデンチャーは歯の動揺を抑制し、歯を保護するという大きな利点があります。
ミラクルデンチャーは、ご自身の歯が1本でもあれば製作可能であり、1本から13本までの歯が欠損した部分入れ歯にほぼすべてのケースに対応できるのが特徴です。この柔軟性は、1本の歯から多数の歯まで、患者の様々な入れ歯ニーズに対応できると言えます。ミラクルデンチャーも、テレスコープデンチャーと同様に金属のバネが不要で審美性に優れ、残存歯を保護できるというメリットがあります。ただし、テレスコープデンチャーと異なり、支持歯を削る必要がないため、自身の歯を削らずに入れ歯を取り付けることができるため、歯を削りたくない患者にとっては適した治療法と言えます。
- 残っている歯に負担をかけるこのが少ない。
- 床(口蓋の部分)がない設計になっているため、違和感も少なく、食べものの味や温度を直接感じることができる。
- 歯をしっかりはさんで固定しているのであくびやくしゃみ、大笑いをしても外れることがない。
- おかきやお餅、するめなど、従来の入れ歯では食べれなかったものでも、しっかり噛んで食べられる。
- 審美性に優れ、装着していても周りの人に入れ歯と気づかれにくい。
- しっかりと固定されて動かないので、隙間に食べものが詰まりにくい。
- 自分の歯が1本でも残っていれば使用できる。
ミラクルフィット入れ歯
ミラクルデンチャーは、金属を使用してベースの強度を確保していますが、一方でミラクルフィットは金属を一切使用せず、金属アレルギーの方でも安心して使用できるノンクラスプデンチャーです。金属を使用しないことにより非常に軽く、審美性にも優れ、装着していても違和感が少ないという特長があります。ノンクラスプデンチャーは、金属を使わないことで特に審美性に優れており、若い患者からの需要も高まっています。最近では様々なメーカーや技工所で様々な種類のノンクラスプデンチャーが開発され、選択肢が増えています。
一般的なノンクラスプデンチャーとミラクルフィットの主な違いは、一般的なノンクラスプデンチャーは歯ぐきの変化に対応できず、合わなくなった場合には新しい入れ歯を作り直す必要があるのに対し、ミラクルフィットは修理をしながら長期間使用できる入れ歯として設計されています。ミラクルフィットは保険適用外で初期費用がかかりますが、残存歯を長持ちさせ、作り直しの必要がないため、修理や調整を繰り返しながらも長期間使用できる特長があります。このため、初期費用がかかるものの、長い期間にわたって使用できることから、コストパフォーマンスの良い入れ歯と言えるでしょう。
マグネットデンチャー
マグネットデンチャーは、入れ歯を固定するためにバネの代わりに磁石の力を利用する治療法です。歯根には「キーパ」と呼ばれる磁性の金属を取り付け、入れ歯には小型の磁石を埋め込みます。これらの要素が磁力で引き合い、入れ歯を確実に吸着させる仕組みです。バネを使用しないため審美的にも優れ、周囲の支え歯に負担をかけずに済みます。取り外しやお手入れも簡単ですが、磁石を使用しているため、心臓ペースメーカーを装着している方は使用できないことがあります。ご希望の場合は、まず歯科医師に相談してください。
金属床義歯
金属床入れ歯は、入れ歯の床部分に金属を使用したタイプの入れ歯です。この入れ歯の床部分(ベース)に金属フレームが組み込まれており、歯が欠損している部分をサポートするために金属が使用されています。通常、この金属フレームは合金(金属の混合物)でできており、その中に人工の歯が配置されます。金属床入れ歯にはいくつかの利点があります。まず、金属フレームは頑丈で丈夫であり、咀嚼力に強く、長期間にわたって使用することができます。また、金属がしっかりとサポートするため、入れ歯がしっかりと安定し、口腔内での動きが少ないといった特徴もあります。ただし、金属床入れ歯は見た目が天然の歯に比べて審美的でないとされることがあり、金属が口腔内で感じられることがあるため、審美性や快適性を求める患者には他の選択肢も検討されることがあります。
チタン床FD
金属部分に、軽く丈夫で、生体親和性の高いチタンを使用した入れ歯です。腐敗せず、アレルギー反応も起こしにくいので、金属アレルギーをお持ちの方でも安心してお使いいただけます。
コバルトクローム床FD
金属部分にコバルトクロームを使用した、金属床義歯として最も歴史のある、定番ともいえる入れ歯です。熱伝導もよく、清潔な状態で永くご使用いただける入れ歯です
ジルコニア床義歯
ジルコニア床入れ歯は、入れ歯の床部分(ベース)にジルコニアと呼ばれる陶磁器製の材料を使用した入れ歯の一種です。ジルコニアは高い強度と耐久性を備え、金属フレームよりも審美性に優れているとされています。このタイプの入れ歯は、ジルコニアの床部分に人工の歯が取り付けられ、ジルコニアが歯周組織に優れた適合性を示すため、快適な着用感が期待されます。また、ジルコニアは金属ではないため、金属アレルギーのある患者にも適しています。ジルコニア床入れ歯は審美性が高いため、見た目が自然な歯に近いとされ、金属床入れ歯よりも口腔内での金属感が少ないとされています。一方で、金属床入れ歯よりも割れやすい性質があるため、適切なケアが必要です。ジルコニア床入れ歯の適応や治療方針は歯科医師との相談が重要です。ジルコニア床義歯は日本では取り扱っている歯科医院はまだ少ないのが現状ですが、最近では今まで安全と言われていたチタンでも金属アレルギーの症状が発症する場合があるという事が解ってきましたので、金属アレルギーのリスクのある方は検討されても良いでしょう。当院では金属アレルギーのリスク検査も行っておりますので、ご心配な方は是非お気軽にご相談下さい。